ファッション・テキスタイルロスゼロを目指すポリエステル抜染技術

ネオクロマト加工

ネオクロマト

 

ポリエステル抜染技術『ネオクロマト加工』

エレファンテックでは、ファッション・テキスタイルロスゼロを目指すポリエステル抜染技術『ネオクロマト加工』を日華化学と共同開発しました。

温暖化ガスの排出削減機運の高まりを受けて、より環境負荷を配慮した動きが広がってきています。環境省によると『ファッション産業は、製造にかかるエネルギー使用量やライフサイクルの短さなどから環境負荷が非常に大きい産業と指摘されており、国際的な課題』として改善を求められている状況であり、この大量生産・大量消費・大量廃棄から脱却したサステナブルな取り組みが注目され始めています。

『ネオクロマト加工』とは日華化学の界面科学技術を応用し、染色又はプリントされたポリエステル布地から水を使わずに染料を簡単に取り除き、再度、染色・プリントを可能とする技術です。環境負荷削減にも大きな貢献をする『ネオクロマト加工』は下記の特長があります。

・分散染料によって染色したポリエステル生地であれば抜染が可能
・抜染直後に昇華転写印刷等の手法で印刷と抜染を繰り返すことが可能

ポリエステル生地を染めている分散染料を抽出し、当て紙に移動させることで水を一切使わない抜染を実現させています。且つ、当て紙は燃えるゴミとして処理ができ、排水による水質汚染を最小限に抑えることができるサステナブルな技術です。
また抜染直後に昇華転写印刷等の手法で抜染箇所にも印刷が可能であり、印刷と抜染の繰り返し加工が可能となることによりポリエステルを使った生地の表現手段が増すだけではなく、服を始めとした布製品のアップサイクルの手段を増やすことに貢献できます。
加工に必要な道具は、昇華転写印刷などに使われるヒートプレスマシンのみで、多くの工場や作業場ですぐにご利用いただける加工技術の完成を目指しました。

 

 

開発者からのコメント

【日華化学】
エレファンテックの杉本雅明副社長が弊社研究開発拠点「NICCA イノベーションセンター」で行ったレクチャーに触発されて、社内で自発的なものづくりの部外活動「MO-SO(妄想)ミーティング」が生まれました。本技術は、そのMO-SO活動で発見した文字や絵柄をぼかして識別不能にする実験を、杉本さんや鷺森さんたちが面白いと注目してくれたことから始まりました。実用化の検討では、ジャパンポリマーク株式会社(本社:福井県福井市、取締役社長:久保 浩章氏)の協力を得ました。落ちないはずの分散染料が染み出し、ペーパークロマトグラフィーのように移ってゆく不思議な現象から『ネオクロマト加工』と名付けました。廃棄されている繊維製品をアップサイクルして減らしたい、それもできるだけ水を使わない方法で、という想いが世界に伝わっていくことを願っています。

【エレファンテック】
本技術は、アーティストの鷺森アグリさんとプロジェクトについて構想している際に、「TOKYO2020が延期になりTOKYO2021になった場合、ファッション分野で衣服の大量廃棄が出るかもしれず、なんとかアップサイクルする技術を作らなければならないのではないか」と気づいたのがきっかけで生まれました。実際は、2021年にTOKYO2020と言う形で開催されたのでそのような廃棄物は発生せず安堵しましたが、根本的な課題として多くの回数が着られることなく捨てられてしまう服が多いということを知り、技術を完成させるべく多くの関係者と試行錯誤を続けました。最終的には、一見魔法と見紛うような、何度でもプリントを消せて、何度でも印刷しなおせる技術が完成しました。
この『ネオクロマト加工』を多くの人と一緒に使いこなして、環境負荷を抑えながらファッションを楽しむ時代をつくることに貢献していきたいと思います。

今後の展望

『ネオクロマト加工』に必要な設備は、ヒートプレスマシンのみです。(あるいは手先がとても器用な人ならアイロンでも加工可能かもしれません。)加えて、当て紙と加工液があれば、水を使わないポリエステル生地の抜染が可能になります。制約条件としては、布の生地の種類ごと、染料の量の違いなどに合わせて当て紙の種類や枚数、加工温度などのいくつかのパラメーターをチューニングする必要があります。『ネオクロマト加工』を速やかにユーザーの皆様に活用いただくために、カスタマーの皆様に伴走する形でサーキュラーエコノミーに向けたPoC(Proof of concept)プロジェクトをご提案させていただくところから始める予定です。

お問い合わせ

ご入力いただいた内容及び個人情報は、お問い合わせ内容への対応のみに利用し、日華化学およびエレファンテックにて適切に管理いたします。